日本最大の販売量を誇る「WHITE HORSE（ホワイトホース）」。スーパーやコンビニで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、コスパが良く万人受けする飲みやすさで人気の「ホワイトホース」について、歴史や種類までご紹介していきます。
ホワイトホースとは
ホワイトホースは、スコットランド生まれのブレンデッドウイスキーです。
世界中100カ国以上で販売されていて、中でも日本国内では販売量第一位を誇る、大人気銘柄です。「スコッチの五大銘柄」にも数えられています。
1,000円代で購入できるということも人気な理由のひとつで、いわゆる「スコッチ」の味わいを感じられるコスパがいいウイスキーとしても有名です。
ホワイトホースの歴史
不眠不休のピーター･マッキー
ホワイトホースの誕生は1890年。この誕生の歴史に欠かすことができない人物、それが創業者兼マスターブレンダーのピーター･マッキー氏です。
ピーター氏は、ラガヴーリン蒸溜所のオーナーだった叔父の元でウイスキー造りを学び、そのラガヴーリンをキーモルトとしたブレンデッドウイスキーの開発を始めます。そして後に完成したのが、「ホワイトホース」。
ピーター氏は、いわゆる「変人と天才は紙一重」をそのまま写し出したような人物で、「Nothing is impossible！」=不可能はない！という言葉が口癖だったそうです。
体も大きくエネルギッシュで休むことなくずっと動き回っていることから、「不眠不休のピーター」というあだ名がついていたほど。
とにかく情熱的、そして信念を曲げない人物であったピーター氏によって、ホワイトホースは”妥協無きブレンデッド”として確固たる地位を築くこととなるのです。
ホワイトホースの名前の由来
当時のブレンデッドウイスキーの商品名は、創業者の名前をつけることが一般的でした。そんな中ピーター氏は、スコットランドの首都エディンバラにある、「ホワイトホースセラー」から名をとりました。
「ホワイトホースセラー」とは旅籠（旅館）であり、かつてマッキー家が所有していたことがあったそう。そして、エディンバラとロンドンを結ぶ乗合馬車の乗降地でもあり、旅立ちの象徴とも言われています。ホワイトホースセラーの看板には大きな白馬が描かれていたことから、ホワイトホースのラベルにも白馬が採用されています。
実は、スコットランドの歴史的にも重要な場所。17〜18世紀、スコットランドがイングランドからの独立を望む反乱でエディンバラを占拠した際、軍人が泊まった宿の1つでした。そのため自由と独立の象徴ともされていて、ピーター氏はこのホワイトホースセラーに強い思い入れを持っていたのです。
スコットランド人の記憶にいつまでも残るホワイトホースセラーのように、自分のウイスキーも長く愛され続けたい、そんな思いが込められていると言われています。
ピーター・マッキーの功績と逸話
「売れるウイスキー」ではなく「品質の高いウイスキー」を造るという信念を掲げたピーター氏は、「品質主義」の確立とともに、ウイスキー界のマーケティングの父と呼ばれるまでになります。
変わり者とも言われていたピーター氏ですが、天才すぎるが故の考えや行動力は、革新的で大胆、かつ頑固な情熱家といったところでしょうか…
「味で勝負するブレンデッド」 の時代を切り開くことができたのは、彼の挑戦的な行動そのものが、技術を超えた味わいを造り出したからなのかもしれません。
ピーター・マッキーにはさまざまな逸話がありますが、どれもが”優れたウイスキー”をつくるための行動だったのでしょう。
社員にプロテイン飲料（栄養強化ミルク）を支給していた
当時の蒸溜所の仕事は体力仕事。社員の体力強化のため、現在のプロテインのような栄養ドリンクを飲ませていたそうです。
ライトな味わいの方が売れる→「軽さが欲しいなら砂糖水でも飲め」
本来のウイスキーは個性と骨があるものだと信念を貫いていたそう。
飲みやすさが重視されていたブレンデッドウイスキーのキーモルトをクセのあるラガヴーリンにした
これによりラガヴーリンの知名向上に成功しました。
伝統である木の発酵槽を使い続けた
多くの蒸溜所が生産効率のためステンレス製に置き換えていましたが、生きている木の菌がウイスキーを美味しくするとこだわり続けたんだそう。
ブレンデッドウイスキーの品質主義を確立した
ライトで飲みやすいブレンデッドウイスキーが売れるという考えを覆すことに成功。
モルトミル蒸溜所を設立
ラフロイグ蒸溜所が契約を拒絶してきた際、交渉ではなく大胆にもラフロイグの原酒を自身で再現する！とラフロイグ蒸溜所の隣に新たな蒸溜所を設立する。
ホワイトホースの種類
ホワイトホース ファインオールド
ホワイトホースのスタンダードボトルです。スーパーやコンビニでも購入でき、価格もリーズナブル。
アルコール度数は40%で、バランスのいい味わいが日本でも大人気です。
ホワイトホース 12年
日本市場限定で開発されたホワイトホース12年。和食にも合う、日本人の味覚に合わせた味わいです。ファインオールドよりも華やかさとまろやかさが増し、ストレートでも楽しみやすい一本。
アルコール度数は40%、価格も2,000円代で購入できる手軽さで人気があります。
ホワイトホース ハイボール缶
手軽にホワイトホースのハイボールが味わえる缶は、キャンプやお祭りなど、外でのイベント時に役立ちますね。
アルコール度数は6%。いきなりボトルを購入することに抵抗がある方は、まずは缶ハイボールでホワイトホースの味わいを感じてみて下さい！
まとめ
今回は、ホワイトホースの生みの親、ピーター・マッキーについてご紹介しました。
ピーター氏は、「優れた職人が優れたウイスキーを造る」という考えを持ち、ウイスキー造りにすべてを捧げた人生を全うした人物です。
ないなら造ればいい、できないことはないんだと、常にチャレンジ精神を忘れず生きていたからこそ、歴史に名が残る”天才”となったのでしょう。
